ドラクマ ~さあ、仕事!~

<あらすじ>

さすらいのシングルマザー浦島クマ、帰国して以来あちこちでゲリラ的仕事ぶり、街や自然との遭遇に日本を見つめ直す毎日。老母ウマ、娘ドラ、拾いっこノラとの脳天気でマイペース女系家族。

 

土曜日の朝、寒風と日の光を浴びて仕事に出る。東京駅丸の内北口を飛び出して、皇居に向かってひた走る。そのまま皇居に飛び込まず、直角に曲がって地下鉄の階段を駆け降りるのが残念でたまらない。。この辺りの光景、東京駅丸の内~皇居間は一種独特でなんと表現してよいかわからない。東京駅の威風と皇居の神々しさに、クマは参っている。こういう場所が日本に、しかも東京にあったなんて知らなかった。。。何にも知らずにドイツの森で暮らしていたのだ。なんてことだ。

かと思えば、湘南R134で訪問車を走らせて稲村ガ崎を廻った途端、真正面に雪を頂いた富士山が現れて、たまげてしまった。眼下には青い海原に白波、左手に江ノ島である。何しにどこ行くのだったかな~、ホントに仕事行くのかな~、とよく考えた。

帰り道は、浜沿いを歩いて、天気が良ければ素足になり、道路にあがって靴を履き、今度は山越えをする。そして、今日もよく働いた気になって、家に帰ってウマ、ドラ、ノラの為にご飯を作ってよく食べ、疲れ切って寝てしまう。毎日何してるんだか?

自分の中心に焦点を当て、そこを宇宙の中心と定め、地球の重力を幸いに大地に根ざして生きていく以外、自分を認識する手立てはないような気がする。宇宙の声を自分の中から聴くつもりでいないと、うっかり自分の思い込みや思い違いで動くと、どうやら道から外れてしまうのだ。