ノラの運動会

集団心理というものだろうか、運動会ではよく泣かされる。去年に続き今年はさらに泣かされた。姪のノラが後ろの方から疾走してくる姿によくぞ大きくなったなあと感動するのとは違う。そういった個人的感傷とは異質のものである。 ある一…

クマの通勤路 続編

まだ薄暮れ時だからよかろうと油断したのだが、かえって面倒な事になった。山道の真ん中にぼんやりとケモノがうずくまっているように見える。タヌキぐらいの大きさだ。正体を確かめようと恐る恐る近づくと、それは大きな石だった。真っ暗…